転職の検討をはじめたときに
「転職エージェントのメリットは何?よく分からないから使うべき理由を知りたい」
「転職エージェントのデメリットを知りたい。無料で利用して本当に問題ないの?」
「報酬を支払っている企業側が転職エージェントのメリットを受けられるようになっているの?」
と気になりませんか?
私は約10年間、採用担当者を経験し転職エージェントを活用してきました。
さらに自分自身も転職エージェントを利用して転職をしてきました。
その経験からお伝えすると確かに転職エージェントにはメリットとデメリットが存在します。
転職エージェントを活用し、無料で転職のサポートを受けられるメリットがあります。
一方で、転職エージェントは転職を成功させえて売上を生む仕組みで営業的な側面もあるため強引に求人を勧めるケースも存在ます。
この記事では転職エージェントのメリットとデメリットを客観的に紹介していきます。
「良い面・悪い面を両方理解して転職エージェントを活用したい」という方はぜひ一読してください。
デメリットの回避方法も紹介しているため、より良い転職につながるでしょう。
この記事で理解できること
- 転職エージェントの非常に有効なメリット7つ
- 転職エージェントの知っておきたいデメリット5つ
- 転職エージェントのデメリットの原因はビジネスモデルにある
- 転職エージェントのデメリットを回避するためには複数の転職エージェントを利用する
転職エージェントを利用するメリットはこの7つ
初めて転職する方にとって転職エージェントのメリットは非常に有効です。
具体的には以下のメリットがあります。
- メリット1:無料で相談できる
- メリット2:豊富な転職事例をもとにアドバイスがもらえる
- メリット3:非公開求人を紹介してもらえる
- メリット4:書類対策・面接対策・推薦状で内定が出やすくなる
- メリット5:企業の事業内容は価値観など内部情報に詳しい
- メリット6:強みや価値観に合った適職の紹介・キャリア設計をしてもらえる
- メリット7:企業に対して年収や入社日などの条件交渉をしてもらえる
それぞれについて解説します。
メリット1:無料で相談できる
転職エージェントは「無料で相談できる」というメリットがあります。
転職エージェントが提供するキャリア相談・求人紹介・企業との選考調整のコストは、転職者を採用する企業が負担します。
企業は転職エージェント経由の転職者を採用した場合、転職エージェントに成果報酬として転職者の年収の1/3を支払います。
つまり年収500万円の転職者を企業が採用した場合、転職エージェントには150万円以上の金額が支払われます。
このため転職者は転職エージェントの手厚いサポートを無料で受けることができます。
メリット2:豊富な転職事例をもとにアドバイスがもらえる
転職エージェントを活用することによって、豊富な転職事例をもとにアドバイスをもらうことができます。
年齢、スキル、地域に応じた転職事例はインターネット上にないため、非常に貴重となります。
また、転職事例を豊富に知っているのは転職エージェントか採用担当者かハローワークしかありません。
ただし、筆者的にはハローワークはおすすめできません。
採用に力を入れている中堅企業・大手企業はハローワークを利用せず転職エージェントを利用しています。
そのため優良な求人を探したい方は転職エージェントから紹介してもらうほうが良い求人に出会う確率は高くなります。
またハローワーク経由の転職希望者は失業保険の受給目的で面接に参加していると思われる方も多く、どうしても優先度を落とされやすい傾向にあります。
出来るだけハローワークの活用は避けるようにしましょう。
メリット3:非公開求人を紹介してもらえる
転職エージェントの求人の大半は非公開求人です。
そのため転職エージェントを活用することで非公開求人を紹介してもらえる可能性があります。
なぜ非公開になっているかというと、求人企業がオープンにしにくい求人を転職エージェントに依頼しているケースがあるためです。
例えば経理担当者の採用の場合は倒産で危ないから経理担当者が退職したと変に勘ぐられたりすることがあります。
また、技術開発担当者の採用は産業スパイによる技術漏洩の危険性もあります。
他にも水面下で進めているプロジェクトの人材を募集していたり、知名度が高く人気な企業では選考が大変といった理由から非公開求人にするケースもあります。
基本的には非公開求人は良質な求人が多い傾向となります。
転職エージェントを利用して優良な求人を見逃さないようにしましょう。
メリット4:書類対策・面接対策・推薦状で内定が出やすくなる
転職エージェントを活用することによって、書類対策・面接対策・推薦状で内定が出やすくなるメリットがあります。
転職エージェントは毎日、企業に履歴書や職務経歴書を送付しており、「落ちる書類」「通る書類」の目利きが備わっています。
転職エージェントに相談することで通りやすい書類選考となります。
また面接対策も同様です。
よくある面接の質問や応募企業が求める考え方などを熟知しているため、踏み込んだ面接対策もしてもらうことができます。
さらに企業の採用担当者は転職エージェントからの推薦状に注目しているため目に留まりやすく、
書類が企業の求めている人材像に近い書き方をされていればそれだけで書類選考に通過しやすくなります。
メリット5:企業の事業内容や価値観など内部情報に詳しい
転職エージェントは企業の内部事情や人員の定着度合い、社風について詳しい情報を保有しています。
特に採用担当者としっかりとコミュニケーションをとっている転職エージェントであれば自分の担当している求人企業の好みの人材などをしっかりと把握しています。
そのため気になる応募企業について相談すれば実情を教えてもらうことができます。
入社してみたら「社長のワンマン経営で想定外だった・・・」といったリスクを事前に減らすことができます。
転職エージェントを積極的に利用することでミスマッチとなる企業の求人を受けずに済み転職を成功に導きやすくなります。
メリット6:強みや価値観に合った適職の紹介・キャリア設計をしてもらえる
転職エージェントを利用すると客観的な強み・弱みからおすすめの職種や企業を紹介してもらえます。
「何のスキルもない・・・」と嘆く方もいますが、共感性が高くホスピタリティーあふれる人であれば総務や労務などの管理部門に適している可能性があります。
さらに、「今のキャリアにどんなスキル・経験があれば年収が上がりますか?」と聞くことでキャリアアップを検討しつつ転職することができます。
参考:キャリアプラン相談|転職エージェントのJAC Recruitment(ジェイ エイ シー リクルートメント)
自分自身では客観的な強み・弱みを把握しづらく、活かせる職場のイメージを持てない方が多くいると思います。
一度相談し、自分の今後のキャリアの方向性についてアドバイスをもらってみましょう。
メリット7:企業に対して年収や入社日などの条件交渉をしてもらえる
転職エージェント経由で内定が決まれば年収や入社日の交渉をしてもらうことができます。
特に転職エージェントは転職市場における相場を熟知しているため客観的にスムーズに交渉します。
入社前から企業の人事と無用なトラブルを避けたい方が多いと思いますので転職エージェントにぜひ頼ってみましょう。
また入社日の交渉もしてもらえます。
企業側は一刻も早く入社してほしいと考えていますので入社を急かされやすい傾向にあります。
転職エージェントが入ることでこのようなプレッシャーからも開放されます。
以上が転職エージェントのメリットでした。
次は、転職エージェントのデメリットについて解説します。
転職エージェントを利用するデメリットは5つ
転職エージェントのデメリットはエージェントの売り上げ都合や、登録後の相性などで生じるケースがあります。
具体的には以下の5つの様なデメリットがあります。
- デメリット1:紹介してもらえる求人は一部
- デメリット2:転職意欲が低い人は対応を後回しにされる
- デメリット3:サービス・担当者によって提案の質が大きく違う
- デメリット4:求人応募を強引に勧めることがある
- デメリット5:転職しづらい人はサポートを断られることがある
それぞれについて解説します。
デメリット1:紹介してもらえる求人は一部
転職エージェントに紹介してもらえる求人は全体の中の一部になります。
転職エージェントは転職希望者の方の書類や面談での結果をベースに紹介求人を決定しているためです。
「この求人はあまりマッチしていない」と転職エージェントに判断されてしまうと求人紹介されなくなってしまいます。
デメリット2:転職意欲が低い人は対応を後回しにされる
転職エージェントは転職意欲が低い人は対応を後回しにする傾向にあります。
転職エージェントは転職希望者が意中の企業に応募し内定を獲得して初めて報酬が発生するためです。
転職希望者が内定を獲得しないとお金にならないため、どうしても転職意欲の高い人を優先されます。
デメリット3:サービス・担当者によって提案の質が大きく違う
転職エージェントは担当者によって提案の質が大きく違います。
転職者の強み・弱みを把握する力や企業が求める人物像は言語化されづらく、担当者の長年の経験・感だよりとなります。
そのためどうしても担当者によって提案の質にバラつきは出てしまいます。
こちらについは「運」の要素が多くなるため後述するように複数のサービスを利用したり担当者変更をすることで回避しましょう。
デメリット4:求人応募を強引に勧めることがある
転職エージェントはクライアントとなる企業の採用担当者から常にプレッシャーを受けていますし、社内的には営業職の側面があるためノルマもあります。
転職の成約件数が評価に大きく反映されるため、強引な転職を勧める方もいます。
そうならないためにも複数サービスの利用や担当者の変更依頼をしましょう。
デメリット5:転職しづらい人はサポートを断られることがある
転職しづらい人はサポートを断られる可能性があります。
サポートした人が内定を獲得して転職エージェントは初めて報酬が発生するためです。
特にスキルがなくベテラン領域の年齢の方は紹介できる求人がなく断られることがありえます。
例えば、一般事務の求人は20代までが多く30代になるとほぼありません。
そのため30代で一般事務を希望している方は「ご紹介できる求人がない」と断られやすいでしょう。
ここまで転職エージェントのメリットとデメリットを紹介してきましたが「利用したほうがいいの?」と判断に悩む方が多いのではないでしょうか?
次は、転職エージェントのデメリットの原因と回避策について解説します。
コラム:転職エージェントにデメリットがある原因は?
転職エージェントにデメリットがある原因はビジネスモデル上の問題にあります・
転職希望者を企業に紹介し採用されたら報酬を受け取るといったビジネスモデルのため転職者よりも企業側の意向を強く汲む傾向にあるためです。
どうしても企業側のご機嫌を伺うような仕組みとなってしまっており、本来の目的である転職希望者の満足度が下がっていく傾向にあります。
転職エージェントを利用すべき人3選
では実際にどのような人が転職エージェントを利用した方がいいのでしょうか。
具体的には以下のような方は積極的に利用した方がいいです。
- 転職活動を一人でする自信がない人
- 忙しくて余裕をもって転職活動ができない人
- より多くの求人情報を知りたい人
順に紹介していきます。
転職活動を一人でする自信がない人
転職活動を一人でする自信がない人は積極的に転職エージェントを利用した方が良いでしょう。
転職活動をするとなると、自己分析や求人探し、選考対策などやらなければならないことが多いと思われます。
転職活動の経験があまりなく自信がない方だと、どのように対策をとるべきか中々わかりませんよね。
間違った方法で対策したり、方向性が定まらないまま転職活動をしても良い結果を得るのは難しいです。
転職エージェントなら自己分析や書類選考、面接対策などを一貫してサポートしてくれます。
また、やりたいことがわからないという方でもヒアリングを通してあなたに合った求人を一緒に探してくれます。
もし転職活動に不安があり、自信がないのなら積極的に転職エージェントを利用してみましょう。
忙しくて余裕をもって転職活動ができない人
忙しくて余裕がない人は積極的に転職エージェントを利用した方が良いでしょう。
例えば現職に勤めながら転職活動をしたい人もいるでしょう。
一日働いて疲れた状態で転職活動をするのはなかなかハードですし、冷静な判断も難しくなります。
転職エージェントなら向こうから自分に合った求人を紹介してくれるため、膨大な求人の中から自分で探す手間も省けます。
また、転職エージェントを利用した場合としない場合では内定獲得率が2倍以上変わってきます。
そのため、転職がうまくいかず何度も何度も選考を受けなければならない可能性も減らすことができます。
転職エージェントは土日や就業時間後も対応してくれるところが多いので、積極的に利用してみて下さいね。
より多くの求人情報を知りたい人
より多くの求人情報を知りたい人も積極的に転職エージェントを利用した方が良いでしょう。
転職エージェントは一般的には公開されていない独自の非公開求人を保有しています。
非公開求人は転職エージェントに登録しなければ見ることはできません。
企業が公に募集せずエージェントを頼って小規模で募集をかけるため、他では見れない高待遇な求人もよく見られます。
一般で募集されている以外にも優良求人の情報が知りたいという方は是非転職エージェントを利用してみて下さいね。
次は、転職エージェントのデメリットを回避する方法について解説します。
転職エージェントのデメリットを回避し賢い転職をする方法
転職エージェントのデメリットを回避し、賢く転職する方法は「複数の転職エージェントを利用」することです。
複数の転職エージェントを利用することで、
- 求人の量を網羅でき
- 複数の担当者の提案によって質のばらつきを抑え
- 強引な求人紹介から逃れる
ことができるためです。
出来れば転職を検討した段階で3サービスを利用しましょう。
転職に不慣れなひとほど転職エージェントに頼ることが失敗しない転職のコツです。
なぜなら転職エージェントほど転職事例を知っている人はいないためです。
転職を検討している人であれば誰でも利用は可能ですし、検討の段階から無理な求人紹介はありません。
安易に1つのサービスを活用するのではなく、3つ以上のサービスを活用するようにしてください。
どうしても転職エージェントを信頼出来ない方はキャリア相談がおすすめ
もし「どうしても転職エージェントは信用できない」という方はキャリア相談サービスを利用しましょう。
転職エージェントと違い有料となりますがクライアントの意向を汲む必要がないため、客観的でフェアなアドバイスをもらうことができます。
職種はもちろん、どんな時にやりがいを感じるかなどの診断を通して働き方についてもアドバイスをもらうことができます。
例えばポジウィルキャリアでは、ワンツーマンで
- 自己分析
- 理想の人生の可視化
- ギャップ分析
- キャリア設計
- 企業分析・業界分析
- 書類選考・面接の対策
をしてもらうことができます。
初回は無料でキャリア相談をすることができるため、キャリアについて悩んでいる方は気軽に相談をしてみましょう。
ところで「どんな転職エージェントがおすすめなの?」と気になりませんか。
次は、おすすめの転職エージェントについて解説します。
おすすめの転職エージェント3つ
転職を検討している方におすすめの転職エージェントは以下の3サービスがおすすめです。
- 転職者全員におすすめ:マイナビエージェント
- 20代におすすめ:ワークポート
- 年収600万円以上のハイキャリアにおすすめ:JACリクルートメント
それぞれについて解説します。
転職者全員におすすめ:マイナビエージェント
転職希望者全員におすすめできるのがマイナビエージェントです。
マイナビエージェントは大手マイナビの傘下企業であり、新卒採用でマイナビを活用した企業が多く活用しています。
筆者は製造業系企業の人事でしたが、マイナビさんは高確率で会社に出入りされていました。
堅いビジネスをしている企業の求人紹介を行ってくれますよ。
20代におすすめ:ワークポート
20代におすすめの転職エージェントはワークポートです。
もともとはIT系に強い転職エージェントでしたが、総務人事経理法務などの管理部門系求人や営業職の求人なども増やしています。
20代に強く、未経験の職種やIT系職種を狙っている方におすすめです。
年収600万円以上のハイキャリアにおすすめ:JACリクルートメント
年収アップを狙っている方はぜひハイキャリア向けのJACリクルートメントに登録しましょう。
JACリクルートメントは高年収であるハイキャリアや外資系企業の求人に特化しています。
特に年収600万円を超える求人に応募する方はJACリクルートメント経由で応募することで書類選考の通る確率が劇的にアップします。
なぜなら転職エージェントが直接書類を企業の採用担当者に見せ、紹介するケースが多いためです。
そこまでして紹介された求人を採用担当者も簡単に落としたりはしづらいため、結果として有利に選考を進めることができます。
まとめ
転職エージェントにはメリットとデメリットがあります。
転職エージェントのメリットとして、以下の7つのメリットがあります。
- メリット1:無料で相談できる
- メリット2:豊富な転職事例をもとにアドバイスがもらえる
- メリット3:非公開求人を紹介してもらえる
- メリット4:書類対策・面接対策・推薦状で内定が出やすくなる
- メリット5:企業の事業内容は価値観など内部情報に詳しい
- メリット6:強みや価値観に合った適職の紹介・キャリア設計をしてもらえる
- メリット7:企業に対して年収や入社日などの条件交渉をしてもらえる
転職エージェントのデメリットとして、以下の5つのデメリットがあります。
- デメリット1:紹介してもらえる求人は一部
- デメリット2:転職意欲が低い人は対応を後回しにされる
- デメリット3:サービス・担当者によって提案の質が大きく違う
- デメリット4:求人応募を強引に勧めることがある
- デメリット5:転職しづらい人はサポートを断られることがある
転職エージェントはビジネスモデル上、転職希望者ではなく企業がお客様となっています。
そのため、強引な転職を勧める転職エージェントも存在しています。
デメリットを回避するためにも3つ以上の転職エージェントを活用するようにしましょう。
おすすめの転職エージェントは以下の3つです。
- 転職者全員におすすめ:マイナビエージェント
- 20代におすすめ:ワークポート
- 年収600万円以上のハイキャリアにおすすめ:JACリクルートメント